抽象と弁別について

人間とは抽象する動物である、なんて言った人がひょっとしたらいるのではないかと思うのだけど、人間誰だって抽象している。人も猫も動物だし、ミミズもアメンボも生きている。二羽が一番、十二本が一ダース。言葉を使うだけで君も抽象化。味噌糞と言うけれど、時には味噌と糞を一緒くたに扱えるというのも人間の素晴らしいところだ。抽象化の極致といえば数学で、見かけが数字や記号となるまで抽象化された概念だけで事が運ぶ。それでいて、実生活に大きな影響を与えている。
抽象することは糞味噌一緒に考えることだ。それに対して、辨別は糞味噌の違いを考えることだ。いくら糞に栄養価があっても、それは肥料にして畑に撒くのが良いのであって、少なくとも自分は味噌しか食わない。数学は、そこのところもちゃんとやる。a÷bを考える時にはbが0で無いことが大事だ。